
写真は外壁材 「ラムダ」 のカットサンプル。
ラムダは、建築家・難波和彦氏がシリーズ化している 「箱の家」 の外装にもよく使われている、中空の押出成型(おしだしせいけい)のセメント版です。(窯業系サイディングの一種)
私が監督させていただいた 「
山王の家」 の外壁にも使いました。
写真の2枚は、素地(そじ)版とクリア塗装版です。
セメントや珪酸カルシウム化合物などと補強繊維を混ぜた原料を型から押出したあと、蒸気で養生しながら固めたものですので、素地の色はセメントのようなうすいグレー色です。
写真ではほとんど違いがわかりませんが、実物はクリア塗装版のほうがほんの少し、色が濃い感じです。
今回、「山王の家」 の手直しにあたって、当時使用した素地版とクリア塗装版とを見比べてみて、大差が無いようであれば、素地よりは汚れなどにも強いクリア塗装版を採用しようかと思っています。

版と版とのジョイントは 、突起のあるオスと凹みのあるメスとでかみ合う 「本実(ほんざね)」 構造になっています。
その実(さね)部分にはさらにゴム状のシーリング材が設けられているので(丸い形状のもの)、ここで雨水の浸入を防ぎます。
厚みは15mmのセメント板ですが、中空のため軽く、硬くて耐久性もあり、防音性もあります。
ただ、硬くて緻密な材料のため、強い力や衝撃が与えられると割れてしまうこともあり、施工に関しては注意が必要な材料です。