昨日のことですが、名古屋で活躍されている建築家、宇野友明氏の講演会(勉強会)へ行ってきました。
宇野さんは設計者でありながら、今では自ら工事を請負い、設計・施工で住宅を建てている日本では”珍しい”建築家です。
宇野さんからすれば、これが本来の、理想の姿なんですが。
ボクの目指す方向の目標の人でもあります。
宇野さん曰く、
「撮影現場でメガホンを振らない映画監督なんていないだろ?」と。
講演会後の2次会でも熱く語ってみえて、ボクもいろいろと話をさせてもらいました。
講演会での話や2次会での話では、”普通”の設計者には心に刺さる、耳の痛いはなしではなかったかなと思います。
今回は設計者がほとんどの勉強会でしたので、意図的に心に刺さる言葉を選んで話をされていました。
◆理想の建築を実現するために、「施主と設計者、設計者と職人の双方に信頼関係を築く」、「志を同じくする」
◆世の中の建築の世界には、施主>設計者>施工者・職人といった暗黙の序列があり、その関係は間違い
◆施主からも、職人からも「信頼」されるにはすべてに責任をもつ「覚悟」が必要。
◆「責任=お金」である。(←この言葉だけでは誤解が生じてしまうけれど、本当の意味で責任を持って仕事するということは、その仕事が失敗した時の代償(=お金)をはらう覚悟が必要だということ。責任ある立場にあっても自分の尻をぬぐえないヤツは責任があるなんて言うな、ということ。(tajima的解釈))
◆現場での『できない理由』のすべては設計者の責任で、そのすべては現場を身をもって知ることで解決できる。
・「予算がない」をクリアするには・・・コストプランニング、概算の早さ、正確さ
・「時間がない」をクリアするには・・・スケジューリング、工程、計画表
・「やる気がない」をクリアするには・・・設計者自身が楽しんでいない、新しいことに挑戦していない、職人にやり直しをさせない
・「納まっていない」をクリアするには・・・正確な図面を描く(=正確な見積りとなる)、施工図を描く、綿密な打ち合わせ
・「技術がない」をクリアするには・・・何件も仕事をして、職人を育てる意識も必要
◆現場は職人とのライブコンサート。予定調和でないことを楽しむ。
◆職人のプライド、技を引き出すのは設計者の責任。
◆やり直しを無くす。
◆職人は仕事で評価する、お金が高いとか安いとかで評価しない→お金で評価すると自分もお金で評価されれる。
◆カタログハウスはやめよう。
カタログに載っている工業製品を選んで組み立てるだけの家を造る「選択士」になっていないか。
それならばハウスメーカーと変わらない。
その他、すべてがボクには参考になりました。
赤ペンでのメモも真っ赤になりました。
やっぱり、教科書や本のような文字ではなく、経験者の生の声は心に響きます。
こういった講演会などは積極的に参加しようと思いました。