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愛知 名古屋の建築設計事務所 / 住まいの建築人・tajimaのイキヌキニッキ

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ひとつ屋根の下

今日の21:00過ぎに、とあるマンションの会合に呼ばれました。

80戸ほどのマンションで、以前に排水管の漏水事故があり、今後のことも考えて排水管を改修(正確には更生工事といいます。排水管としての機能を回復させる工事です。)するかどうか、工事をやる場合にはどういった方法が考えられるのか、マンションの管理組合の理事の方々と話しをしました。


築18年ほどのマンションですが、キッチンからの鋳鉄製の排水管が錆びて、穴があいている部分があるのです。
築18年のマンションとしては、状況が悪く、劣化が早い印象です。


戸建住宅の場合、漏水事故があっても他人に迷惑をかけることはほとんどありませんが、マンションとなるとそうはいきません。
漏水すれば下の階の住居が水浸しになる可能性があり、実際に以前更生工事を行ったマンションでは、漏水事故が原因の訴訟問題に発展していました。



会合では、いつかは避けて通れない工事ということ、もっと状況が悪くなる前の早めの対応の方が、コスト的にも、安心感という精神衛生上も良いということをお伝えしました。



マンションは戸建て住宅と違い、全くの他人同士が 「ひとつ屋根の下」 で暮らしています。

今のご時世、考え方も違えば、生活リズムも違い、場合によっては国籍も違う人たちが住んでいます。

80戸もあれば、いろんな意見が出ます。

そういった複雑な状況の中で、民主的な手続きを取りつつ、総じて皆の利益になることがらを進めるのは大変な作業です。

住民で組織しているマンションの管理組合の方々も、大変です。



「住まう」 ということでは、戸建住宅もマンションも一緒です。

ただ、問題の種類は全く違います。

こういったさまざまな問題、課題を実際に見て聞いて経験させてもらえるということは、建築に携わる者としては貴重な経験です。

戸建住宅を設計するには全く関係ない問題かもしれませんが、設計者としての幅を広げることにはつながっています。

建築の世界は、「広く、深く」 ものを知っていないといけない世界です。
by tajimbo | 2008-10-04 23:37 | 仕事
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