いつもそう思っているのですが、
一般的な価格より10%安くて70点の出来栄えの仕事と、一般的な価格より10%高くても120点の仕事であるならば、後者の方が絶対にいい。
良いものができます。
それは経験上、絶対にそうだと思っています。
本当の建築には、人の想いが入っています。
いい建築とは、デザインがどうとか、材料が高価とかそういうもので決まるのではなく、どれだけ多くの人の 「想い」 を入れられるかだと思います。
施主の想い、設計者の想い、施工者の想い、職人の想い、メーカーの営業マンの想い・・・。
いっぱい詰まった建築の方がいいと思っています。
とあるタイルメーカーの年配の営業さんは、タイル業界の先は暗いと嘆きつつも、
「これ、面白そうなんで、うちとしてもぜひ実現したいです。」
「金額は目いっぱい協力しますんで、やりましょう」
と言ってくれます。
とある金物屋さんの営業兼設計兼職人さんは、
「お金なんてなんとかしますから、これでいきましょう」
と、デザインをすっきりさせたいなら、材料の原価が高くてもこれで、
と言ってくれます。
とある板金屋さんは、
「デザイン的に絶対こうしたいだろうから、めんどくさいけどすっきりと納めといたよ」
と言ってくれます。
単に図面に描いてあるとおりとか、図面に描いてないからとかで事務的に仕事をするのではなく、少しでも良いと思う方向に向かって仕事してくれる、そういう人たちと仕事していると楽しいのです。
ですから、ボクも、お施主さんからは一緒に家づくりしていて楽しいと思ってもらえるような建築人になりたいと思っています。