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愛知 名古屋の建築設計事務所 / 住まいの建築人・tajimaのイキヌキニッキ

tajima.exblog.jp

カテゴリ:家づくりのヒント( 6 )

あの会社の見積書

ボクが年間購読をしている、家づくりのプロのための実務情報誌『日経ホームビルダー』の中で、あの会社の見積書が公開されています。

※日経ホームビルダーは一般書店では売っていない専門誌です。
ホント、家づくりの実務者には良書です。

あの会社とは、タ○ホーム。

実際にタ○ホームで建てたお施主さんに取材し、見積り段階から契約、竣工までのプロセスを紹介しながら、実際の見積書も氏名などは伏せて公開されています。(タ○ホームには了解とれてるんだよね、当然)

一つ一つがオーダー設計である完全な注文住宅を仕事としているボクとしては、全く理解の出来ない見積書です。

住宅価格:工事施工面積 36.02坪 13,067,640-
オプション工事:別紙明細書     187,730-
未計上工事及び費用:別紙明細書      別途
-------------------------------------------------------------
合計              13,255,370-


です。

オプション等は別紙明細書が数枚添付されているのでしょうが、「住宅価格」には内訳がありません。

これはもう、車を買う感覚と一緒ですね。
車種とグレードを決めれば、本体価格は自動的に決まる。
後は気にいったオプションを追加していくんですね。
でも、本体からいらないものを省こうとしても、減額という選択肢はたぶんないんでしょうね。

それぞれの会社によって見積りの仕方、書式が違うのは当然なので、何とも言えません。
こういうものだ、と言うことです。


ボクからすると上記の見積書の書式にもビックリしますが、もっとビックリなのは、契約書の表紙の内容。

一般的な建設工事の契約書の書式なんですが、要約すると、

△△様とタ○ホーム株式会社とは、△△様邸新築工事において、つぎの条項と添付の請負契約約款、設計図3枚、仕様書1枚とに基づいて、工事請負契約を締結する

です。

設計図3枚と仕様書1枚で、1300万円の家の契約です。
ボクらからはあり得ない内容の契約書。
設計図3枚なんて…。配置、平面、立面、仕上げだけで終わり?かな。

あれだけの全国区の大企業との契約なので、当然、きちんと施工され、契約内容はきちんと履行されるのでしょうが…。

年間1万棟ぐらい建てているほど支持されているので、大丈夫なんでしょうね、たぶん、きっと。
by tajimbo | 2010-06-24 22:44 | 家づくりのヒント

太陽光発電パネルのトラブル

エコ、エコ、と言うことで補助金や売電価格の倍化などの追い風で急速に普及している太陽光発電。

それに伴い、トラブルも増えています。

先月、国土交通省も太陽光発電パネルの設置にからむ雨漏りなどの不具合の防止を目的にした 「太陽光発電パネルの設置工事に係る施工・検査基準」 を策定しました。

a0049695_2056384.jpg
建築全般を仕事にしている者からすると、上記の施工・検査基準なんて当たり前なんですが、

事前調査→現状の屋根の状況、設置によって雨漏りが発生しないか、雨水の流れを阻害しないか、設置する下地は強固かどうかなど

設置・施工計画の検討→現状を調査した上での施工計画、防水計画を立てる

適正な設置・施工→施工計画に沿って間違いのない施工ができているかの現場管理

記録および報告→写真や記録によるお施主さまへの施工状況の説明や報告

などをしっかりとやろうね、という指針です。



太陽光発電パネルだけではないですが、リフォーム専門業者でも、建物全般を理解していない営業マン、現場監督はゴマンといます。

単なるパネルの設置の知識だけ、部位的なリフォームの知識だけで、全体的な構造の知識や法規の知識もないと、『簡単にできますよ』と言って問題施工を行い、トラブルになるケースも少なくないです。


サービスや品質を提供する側のモラルや施工力などが高くないといけないのは当然ですが、きちんと順序だててわかりやすく説明できる営業マン、施工の知識と知恵も持った営業マン・現場監督に出会うために、お施主さま側にも「人を見る眼」を持っていただく必要があります。

「人を見る」と言うのは難しいようですが、その人を友人にできるか、一生を通じてお付き合いできそうか、一つ一つの対応に誠実さを感じるかなど、友人や恋人、伴侶を選ぶのに似た 「眼」 です。

それが納得・満足のいく家づくりのはじめの一歩です。
by tajimbo | 2010-06-23 22:17 | 家づくりのヒント

断熱と健康と投資回収という考え

「日経ホームビルダー」誌によると、建築研究所の発表では

「健康への効果を加味すると、100万円の断熱工事費は2.6人家族なら16年で回収できる」

そうです。

これはどういうことかと言うと、昔のようなほとんど断熱材が入っていないような「無断熱住宅」から、現代のような「断熱住宅」(高断熱・高気密住宅も含まれますが、現在の一般的な住宅でも昔に較べれば随分な高断熱住宅です。)に住み替えると、風邪など病気にかかる確率(罹患率)が38%減少するそうで、「断熱住宅」では病気にかかりにくい、ということです。


確かに、すきま風がピューピューしている住宅よりも、今の住宅のほうが風邪をひきにくいとは思いますね。

ちなみにその発表では、「断熱住宅」へ住み替えた場合、気管支喘息やのどの痛み、アトピー性皮膚炎などの諸症状の改善率は、概ね30%を超えています。


現代の「断熱住宅」の罹患率の減少から、病気で生じる医療費や休業による収入の損失を、1人当たり年間9,400円削減できると算出。
それに加えて、「断熱住宅」によって年間の冷暖房費が従来よりも削減される費用を追加し、その合計金額で、断熱工事費を割った計算が、「16年で回収」できるという計算です。



「高断熱化」が健康に良い影響を与えているという具体的な資料ですね。

今までは、高断熱化による冷暖房費の削減がどれだけかと言うことを断熱メーカーなり冷暖房機器メーカーなりが試算していましたが、健康に関する調査で、医療費や休業での収入損失の低減を加味するデータは初めてです。


「2.6人家族なら16年で回収」というその内容が詳しく書かれていないので何とも言えない部分はありますが、断熱工事にお金をかけて高断熱化をすると、病気にかかりにくくなり、結果、医療費や光熱費が削減できることで16年ぐらいでペイできると考えると、断熱化をした方が良いと考えられますね。

まあ、断熱化した方がいいというのは当たり前と言えば当たり前ですが、あとはその断熱のグレードをどの程度にするのか、いかに断熱工事をキチンとするのかという具体的な内容もしっかりしないといけないですね。
by tajimbo | 2010-06-02 23:59 | 家づくりのヒント

家づくりでの後悔

先日リフォームの建築相談でお会いしたお客さまとの話の中で、「家づくりに失敗した」といったことをお話しされました。

その方は、十数年前にとある大手ハウスメーカーで自宅を新築されたのですが、その方曰く、

「ハウスメーカーの都合のいいように話を進められ、気がついたら、奥さんやお子さんに不評な家ができあがり、それ以来十数年、奥さんや子供に不平や小言を言われ続けている・・。」

そうです・・・。

一生に一度(ぐらい)の大きなプロジェクトで、不満や後悔が続いているのは、本当に残念です。


これはハウスメーカーが良いとか悪いとか、設計事務所が良いとか悪いとかではなくて、それぞれの依頼先のメリット・デメリットをもう少しじっくりと検討しご理解された上で、自分たちにとってはハウスメーカーが良いと感じたならば、ハウスメーカーにご依頼されれば後悔はなかったと思います。

また、家づくりのプロセスにおいて、お施主さま家族内での要望や意思の疎通、コミュニケーション不足やみんなが家づくりに参加できていなかったことも大きいと思います。


どんな家づくりでも大切なのは、「理解・納得」と「主体的な家づくり」です。

この二つがされていれば、少なくとも、後悔はない家づくりができるはずです。


ご自身が家づくりの主役として(そもそもご自分の家なんですから主役は当然なんですが)積極的に参加すること、どんな事柄にも自分なりに理解し、納得しながら一つ一つ進めていくことが大切です。

自分たちが主役であり、自分が理解・納得するための材料や選択肢をハウスメーカーや設計事務所に出してもらい、自分たちが最終的に決める、というスタンスであれば満足いく家づくりができるのです。


料理を全くやったことのない人でも、料理に詳しい人に手伝ってもらい、アドバイスをもらいながらも自分自身で自分好みの味付けをし出来上がった料理は、ちょっと塩辛くても、美味しいと思えますよね。
自分で作った料理ですもんね。

でもこれが、自分はダイニングテーブルで出来上がるのを待っている「お客さん」のように座っているだけで、出てきた料理が塩辛かったら、「これ、辛いんだけど…」となり、美味しくないですよね。

料理はやり直しができますし、次の日には調理の仕方を変えることもできますが、家づくりはそうはいきません。

だからこそ、一度しかない家づくりには、絶対に後悔しない方法を取るべきなんです。

それが、「理解・納得」と「主体的な家づくり」だと思います。
by tajimbo | 2010-02-20 22:49 | 家づくりのヒント

設備機器と施主支給

先日の 「大西の家」 での打合せの中で、施主支給や別途工事に関する話が出ました。

知合いまたはネットなどでは、工務店に依頼するよりも費用的に安く済む場合があり、当然、費用を出す側(施主側)としては安いに越したことがないので、「知合い価格」 や 「価格.com」 などで納入したいという考えになります。

いつもボクがお話しするのは、特にメンテナンスが必要でないもの、単に取り付けるだけの既製品はネットなどで購入していただいて、取り付けは建物を施工する工務店に依頼するのは構わないとお話しします。(取り付け費用は工務店側に対して必要です)

ただし、特に水栓金具などの設備機器については、工務店に製品と取り付け工事の 「材工(ざいこう)」 とも、一括で依頼した方が良いとお話しします。

衛生関係は、水漏れなどのトラブルが床材などを濡らしたり水浸しになる可能性があり、早急な対応が必要になります。
そうした緊急時の対応は、とりあえずは施工した工務店に依頼するのが一番ですが、水漏れなどの原因が施主支給の製品にあるとなると、製品の取り換えに応じてくれるのか、素早い誠実な対応が期待できるのかなどの問題が出てきます。

トラブルの責任の所在がどちらにあるのか、などと揉めることもあります。





以前も、洋モノの水栓金具だけを友人の建材屋さんから別途で納入したお施主さまがみえましたが、引渡し直後にその水栓金具から微量の水漏れがあり、金具の点検や取り換えをその建材屋さんに依頼してください、とお願いしたのですが、建材屋さんの営業マンが忙しいのか、1週間経っても見にも来てくれない、と言うことがありました。
その間、微量に水漏れが続いていました。


これは、その営業マンや建材屋さんの姿勢の問題もありますが、通常、取り付け工事までを請け負っていない、「金具を売る」 ことがメインの営業マンに、すぐに動いてくれるメンテナンスの協力業者がいるとは限らないこと、金具を売った値段にメンテナンス費用は含まれていないため、メンテナンスの人間に動いてもらうだけで費用が発生することが、素早いメンテナンス対応を拒む原因になります。


こういった緊急時のメンテナンスなどの 「機器以外の目に見えない費用」 を削っているためにネットなどでは安く提供できるのです。

それを理解した上で、機器はネットで購入し、万が一のメンテナンスのときにはその都度メンテナンス費用を支払うという考え方であれば、それはそれでOKです。

万が一のトラブルの発生リスクと、発生した時のコストを照らし合わせて、費用対効果を検討する必要があります。



材工とも工務店なりハウスメーカーなりで依頼していれば、トラブルの時の初期対応や原因追及などは施工者としての責任から誠実な対応をしてくれるところが多いです。

ネットで 「一番の格安」 を競っている業者はどうでしょうか。


これらのことを踏まえて、施主支給や別途工事を考える必要があります。
by tajimbo | 2010-01-09 23:02 | 家づくりのヒント

住宅設計事務所辞典 東海版

『住宅設計事務所辞典 東海版 ~理想の家づくりは設計事務所探しから~』(C&D出版)に掲載されました。

a0049695_1437406.jpg少し大きめの書店には並んでいるかもしれません。

愛知・岐阜・三重で住宅の設計・監理を主な業務としている設計事務所が59社掲載されています。

設計事務所といっても大規模なビルを設計している組織事務所から、アトリエ系といわれる小規模な事務所まで、また下請け専門の事務所や設備や電気の設計を専門に行っている事務所などなど、さまざまな事務所があります。

一般の方々が、設計事務所と一緒に住宅を建てようと思ったときに、参考になるのではないかと思います。


副題にもあるように、「理想の家づくりは設計事務所探しから」 と言うのは本当です。

自分たちにフィットしたオリジナルな家づくりをしようと思ったら、設計事務所との家づくりが一番です。

設計監理料を入れても、大手ハウスメーカーでの価格と変わらない金額で、オリジナルの家づくりができます。

また、お父さんやお母さんが自分たちの家を一生懸命に考えて創ってくれた、という 「親の背中」 が見せられます。

実はこれが一番のメリットだと思います。

一生懸命な 「親の背中」 見せていますか?
by tajimbo | 2009-06-22 15:03 | 家づくりのヒント