今日は、設計事務所時代のTさんのお誘いで、同じ設計事務所OBの5人でINAXの「ライブミュージアム」へ社会見学へ行ってきました。
INAXの営業の方やライブミュージアムの館長さんに施設を案内してもらいながら、INAXのタイルや陶器・便器の歴史や製品の作られ方などをいろいろと教えてもらいました。
写真は、敷地内に点在している施設のうち、愛知まちなみ建築賞も受賞している「土どろんこ館」。
色合いといい、たたずまいといい、落ち着いた感じでしっとりとした建物です。
この建物の最大の特徴は、外壁の『版築(はんちく)壁』。
版築は古来からの土壁の築造方法で、法隆寺や中国の万里の長城の一部にも用いられていますが、現代では耐震性などの問題から、使われることはほとんどありません。
この「土どろんこ館」の本当の構造体は鉄筋コンクリートですが、その外側に版築の壁を築造したそうです。
版築は、壁面となる両側を木製の型枠でせきとめた中に細かい砂利などの入った土を入れ、20cm程度の高さごとに突き固め、地層のように何段も重ねて築きあげていくので、表面には地層のように水平のラインが入ります。
文字通り、築き上げていく建築ですので、力強さと土の自然の風合いとがなんともいい感じです。
こういう建物は、「風化」していくことも時間を感じさせる美しさの一つですね。