「名古屋市 N邸」 の解体中です。
半分ぐらいまで進んだ感じ、私がダウンしている間にも。
木造の解体っていつも、何だか胸が締め付けられるような、
何ともいえない妙な気持ちになる。
リフォームなどでの小規模な解体は、人力で一つずつ材料を
「はずしていく」 または 「切っていく」 といった感覚なんだけど、
重機での解体は、「つぶしていく」、「ちぎっていく」 みたいな感覚で、
実際の柱や梁をあの重機のツメで 「バリバリッ」 とやるあの音が、
何とも言えず、好きにはなれない。
格好のいい言い方をしてしまえば、「木が泣いている」 ようにも聞こえる。
建物が解体されるには、それぞれの個別の事情があって、
良いとか悪いとかを判定する部類のことがらではないのだけれど、
こういった気持ちや感覚を心の中に持って、新しいものを創る仕事をするのと、
ただ単に、ゼロから設計やって、工事を見て、はい完成、で、新しいものを
創るのとでは、大きく違うような気がする。
こういった感覚は、現場でしか学べない。